【事例】注意欠陥多動性障害で障害基礎年金2級 20代女性
障害年金受給の概要
【傷病名】注意欠陥多動性障害
【性別・年齢層】女性・20代
【結果】認定日請求で障害基礎年金2級
【エリア】釧路・十勝地区
相談から請求までのサポート内容
お子さまが20歳を迎えるタイミングでお母さまからご相談いただきました。自分にもしものことがあった場合に生活に困らないよう、障害年金を請求したいとのことでした。
お話を聞いたところ、幼い頃から、他の子に合わせるといった団体行動が全くできず、暴れたり、癇癪をおこして幼稚園から何度も呼び出されていたそうです。また、物音に敏感で、足音やドアの開け閉めの音で目が覚めてしまい、熟睡ができず、睡眠薬を処方してもらうこともありました。
小学校入学後も、自分の気持ちを抑えることができず、同年代の子と比べて落ち着きがないことからも、発達障害を疑うようになり、小児科を受診。「注意欠如多動症」と診断され、通院し薬を服用しておりました。中学生になっても状況は改善されず、トラブルは続いていたそうです。
高校卒業後は就労継続支援A型で働いていました。仕事を休むことはなく、職員に見守られながら楽しく仕事をしているようでした。一方で普段の生活では、お母様の支援がなければ食事などの身の回りのことができません。お母さまが体調を壊した時には、家に1人にはできないため、ショートステイを利用できるよう登録しているとのことでした。
病歴・就労状況等申出書の作成にあたっては、改めてお母様に普段の様子をヒアリングさせていただきました。また、幼少期から通っている医療機関や支援施設の利用状況がわかる書類をお預かりし、その内容も参考にさせていただきました。幼少期から現在までの経緯をまとめ、日常生活で支障が出ている点をまとめました。
診断書の作成は、ヒアリングのメモとともに依頼をしました。
請求の結果
障害基礎年金2級で受給が決まりました。
この事例の特徴
幼少期(20歳前)に初診日がある発達障害で、数年間、就労継続支援A型で就労している方でした。
「就労していると障害年金はもらえないのですか?」とご相談いただくことがあります。
『精神の障害に係る等級判定ガイドライン』では、「相当程度の援助を受けて就労している場合は、それを考慮する。」とあり、具体的には以下のように記載されています。
① 就労系障害福祉サービス(就労継続支援A型、就労継続支援B型)及び障害者雇用制度による就労については、1級または2級の可能性を検討する。就労移行支援についても同様とする。
② 障害者雇用制度を利用しない一般企業や自営・家業等で就労している場合でも、就労系障害福祉サービスや障害者雇用制度における支援と同程度の援助を受けて就労している場合は、2級の可能性を検討する。
就労継続支援A・B型だけでなく、一般企業等で援助を受けて就労している方でも、診断書の「現症時の就労状況欄」や「病歴就労状況等申立書」に、仕事の種類や内容、職場で受けている援助や配慮、他の従業員との意思疎通の状況など就労に関する状況を記載し、正しく伝えることで受給の可能性を高めることができます。
「就労しているから障害年金は無理」と請求することを諦めないでほしいと思います。
「障害年金の更新で不支給になったら困るから」と働くことも諦めないでほしいと思います。
※注意※
20歳前傷病による障害基礎年金については、所得制限があります。
就労などによって得た所得が一定額以上の場合は、障害基礎年金の一部または全部が支給停止となる場合があります。
ご自身で請求を行うことにご不安がある場合には、どうぞお気軽にご相談ください。