【事例】左水腎症・慢性腎不全で障害厚生年金2級 40代男性 

障害年金受給の概要

【傷病名】左水腎症・慢性腎不全
【性別・年齢層】男性・40代
【結果】遡及請求で障害厚生年金認定日3級、職権改定で人工透析開始に遡り2級
【エリア】北見・網走地区

相談から請求までのサポート内容

「人工透析をしている家族が、年金事務所で書類の不備を指摘されて、なかなか受け取ってもらえない。窓口との関係性も悪くなり、請求することを諦めてしまっている。本当に諦めて良いのでしょうか?」と相談をいただきました。

人工透析は、書類をしっかり揃えることができれば2級に該当し、年金を受給できます。初診日や保険料納付要件が満たされているならば、諦めるという選択はありません。

幼少期に腎臓病を患っており、基礎年金で準備を進めているようでした。状況から社会的治癒で厚生年金での請求ができる可能性があるとお伝えし、相談は終了となりました。

後日、ご本人さまから電話があり、申請代行の依頼をいただきました。

ご本人さまから話を聞いたところ、先天性右腎低形成で幼少期に手術をしており、小学生の時には腎盂腎炎になり入院しておりましたが、退院後もしっかり通院し、医師から治療終了を告げられておりました。

その後は薬の服用や通院はなく、小・中・高校と体育の授業や学校行事には参加できており、他の生徒と変わらず学校生活を送っておりました。大学では体力を使うようなサークルにも所属しておりました。

6年ほど前に熱がでて受診したところ、左水腎症と診断され治療が開始されました。1年を経過した頃から疲れやすくなり、仕事中も時間をみつけては横になって過ごすようになっておりました。その後、腎臓の数値が悪化。シャント設置手術を受け、投薬療法と併せて、食事制限も始まりました。術後しばらく数値が安定していたものの、3年経過した頃に人工透析が開始されました。

医療機関に障害認定日当時の数値を確認したところ、3級に該当する可能性がありました。社会的治癒が認められた場合、3級に該当すると遡って年金が支給されます。

ご本人様と相談し、厚生年金で認定日に遡って請求することにしました。

請求の結果

社会的治癒が認められ、5年以上のさかのぼりで、障害厚生年金認定日3級、人工透析開始時職権改定による2級で受給が決まりました。
 ※職権改定とは、提出された診断書をもとに障害の程度が診査され、厚生労働大臣の判定により障害基礎年金の額が改定されることです。人工透析を開始した場合、2級に該当します。

この事例の特徴

幼少期に腎臓の治療を受けており、年金事務所では、20歳前の初診日(障害基礎年金)で請求するよう言われていました。しかし、窓口で書類の不備を指摘され、なかなか受け取ってもらえず、諦めてから数年経っていました。

事後重症請求の場合は、窓口で書類を受け付けた日から受給権が発生するため、諦めていた期間の年金が消えてしまいます。

結果的には、「社会的治癒」が認められ、障害認定日まで遡って5年間分の障害厚生年金を受け取ることができました。

社会的治癒は必ず認められるものではありませんし、請求するタイミングによっては、本来受け取れていた年金を受け取れないこともあります。
  ※年金を受ける権利は、権利が発生してから5年を経過したときは、時効によって消滅します。つまり遡って受け取れる年金は原則5年間分のみで、それを超えた期間の年金は受け取れません。

体調が悪い中、年金事務所に何度も足を運ぶのは本当に大変だと思います。諦めている期間、どんなお気持ちで過ごしていたのかと考えると胸が痛くなります。申請を諦めてしまう前に、気軽に専門家へご相談いただければと思います。