【事例】線維筋痛症で障害厚生年金2級 30代女性
障害年金受給の概要
【傷病名】線維筋痛症
【性別・年齢層】女性・30代
【結果】遡及請求で障害厚生年金2級
【エリア】北見・網走地区
相談から請求までのサポート内容
「線維筋痛症で痛みがひどく、仕事や家事ができない状態が続いている。眠りが浅くなり、うつ的な症状も出てきている。」
線維筋痛症やうつ病で障害年金を請求できるのかどうか、お母さまからご相談いただきました。
ご本人さまからお話を聞いたところ、痛みが出はじめたのは4年ほど前。胸部に痛みがあり、安静にしていても息苦しい、頭がボーっとするといった症状がありA医院を受診しておりました。採血・レントゲンを撮ったものの異常はなく、鎮痛剤が処方され様子をみることになりました。
薬を飲んでも痛みは改善しないため、疲労骨折、脳や呼吸器の異常を疑い、複数の病院・科を受診しましたが、どの検査でも異常はなく、原因が分からないまま過ごされていました。
しばらく市販の鎮痛剤を服用しながら何とか仕事を続けていたものの、背中の痛みや胸の痛みが強くなり、パソコンを打つだけで指先に電気が走ったかのような痛みを感じるまでに悪化し、仕事を辞めざるを得ない状態となってしまいました。
退職した後、再び複数の病院・科を受診しましたが、いずれも異常はなく原因が分からないままでした。
インターネットで痛みについて調べ「線維筋痛症」のブログにたどりつき、ブログを書いていたBクリニックを受診、線維筋痛症の疑いがあるため、C総合病院で検査を受けるようすすめられました。C総合病院で様々な検査をうけ「線維筋痛症」と診断をされました。
天候によっては身体の痛みや痺れ、頭痛、倦怠感がひどく、起き上がれない日が何日も続いたり、風にあたるだけでも全身が痛むため外出や散歩を控えていたりするなど、日常生活に多くの支障が出ていることが分かりました。
お母さまはうつ病での障害年金請求を考えているようでしたが、線維筋痛症で請求を進めることにしました。
「線維筋痛症」の確定診断に至るまで、複数の病院を渡り歩いておりましたが、胸部の痛みで受診した日を初診日として請求することにしました。A医院に受診状況等証明書を依頼する際には、当時の痛みの状況を詳しく記載いただくようお願いしました。
C総合病院に、線維筋痛症と診断された当時の状況が「線維筋痛症の重症度分類試案(厚生労働省研究班)」のステージⅠ~ステージⅤのどれに該当するかを確認し、診断書を作成いただくBクリニックに参考資料としてお渡ししました。
Bクリニックに診断書と繊維筋痛症の重症度分類に関する調査票を作成いただき、初診日に関する補足と併せて提出しました。
請求の結果
胸部の痛みの受診が初診日と認められ、障害厚生年金2級(2年10か月さかのぼり)で受給が決まりました。
この事例の特徴
線維筋痛症等の初診日は「障害の原因となる線維筋痛症等に係る一連の診療のうち、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日を障害年金初診日として取り扱う」とされています。
この事例は「痛みで受診した日」から「確定診断された日」まで、1年と比較的短いものの、6か月を超える未受診期間があり、「一連の診療」とされるには、痛みが継続していることを証明する必要がありました。
ご本人さまが当時の痛みや状況を覚えており、病歴就労状況等申立書に詳細に記載できました。また、受診状況等証明書に、受診時の痛みの様子を詳細に記載いただけたことにより「申立て初診日において、身体の広範囲に及ぶ慢性疼痛について診療を受けていた」と認められたのだと思います。
「痛みで受診した日」と「確定診断された日」のどちらが初診日になるかで、加入している年金制度が異なるため、厚生年金での受給が認められ喜んでおりました。
障害年金の手続きは難しく、途中で諦めてしまうことがあると思います。そんな時は、一人で抱え込まず、専門家にご相談ください。