【事例】部分てんかんで障害基礎年金2級 30代女性

 

障害年金受給の概要

【傷病名】部分てんかん
【性別・年齢層】女性・30代
【結果】事後重症で障害基礎年金2級
【エリア】北見・網走地区

相談から請求までのサポート内容

ご本人様は発作がいつ起こるか分からないため、最近は外出や人と会うことを避けるようになっており、受給の可能性について、お父さまからご相談いただきました。

お話をうかがったところ、幼少期に熱けいれんを何度か起こしておりました。薬の服用が終了した後は病院を受診することはなく、発作は治まっていたのですが、高校生のときに倒れ病院に搬送され、その後の検査で「てんかん」と診断されていました。

現在も、立位で倒れることは少ないけれど、就寝時や起床時など、1人でいる時に発作が起きている様子でした。

障害等級2級に該当する可能性があると判断し、請求の準備を進めることになりました。

初診病院にカルテの保管状況を確認したところ、すでに廃棄されており、パソコンにも当時の記録は残っていませんでした。しかし、救急車で搬送されていましたので、救急患者受け入れ時の記録を確認していただいたところ、当時の医師が書いた記録が残っており、そこには初診日の記載がありました。また、高校卒業後に通院していた病院に、通院記録が残っておりました。これらの書類の写しをいただき、「受診状況等証明書が添付できない申立書」と提出し、初診日を証明しました。

診断書の作成にあたって医師は協力的でした。ところが、できあがった診断書を確認したところ、日常生活状況が実態とは異なるものでした。障害年金は書類審査のため、このまま提出すると不支給となる可能性があります。お父さまと相談して、医師に診断書作成における判断基準についてお話をさせていただき、しっかりと訂正していただくことができました。

請求の結果

障害基礎年金2級で受給が決まりました。

この事例について

この事例は「20歳前に初診日」がありました。

障害年金は、初診日に加入していた年金制度によって受給できる額や等級が変わります。

初診日が20歳より前で、どの制度にも加入していない場合は「20歳前障害基礎年金」として請求することができ、次の点が通常の請求とは異なります。


● 障害認定日は20歳に達した日(誕生日の前日)。
 ※ただし、初診日が高校卒業してからなど遅い場合で、初診日から1年6か月を経過していない場合は、通常通り、1年6か月経過した日です。

●初診日が20歳前の場合は、保険料納付要件が問われない。

●障害年金は基本的には所得制限はありませんが、20歳前の障害基礎年金については、所得に応じて調整があります。


20歳前の初診日がある場合は、「基礎扱い」となり、保険料納付要件も問われません。

そのため、初診日をピンポイントに証明できない場合でも、請求者が20歳前に発病し、医療機関で診療を受けていたことを明らかにする書類を添付することで、初診日と認めることができるとされています。

障害年金の申請では初診日の証明が必要です。初診日の証明で困った時には一人で悩まず、専門家にご相談ください。