【事例】広汎性発達障害で障害基礎年金2級 30代女性

 

障害年金受給事例 広汎性発達障害

障害年金受給の概要

【傷病名】広汎性発達障害
【性別・年齢層】女性・30代
【結果】遡及請求で障害基礎年金2級
【エリア】北見・網走地区

相談から請求までのサポート内容

一度申請しようとしたものの、障害認定日前だったり、相談先で受給の可能性は低いと言われていたり、申請することをためらっていたようです。無料相談会のポスターをご覧になり、改めて障害年金の可能性を考えたいと、ご本人様よりご相談いただきました。

お話を聞いたところ、幼い頃から感情のコントロールができず、場をわきまえず泣いてしまったり、イライラして物にあたったり、やつあたりすることが多かったとのことでした。

小学校にあがってからは、うまくコミュニケーションがとれずトラブルになることもあり、ご友人との関係も悪くなっていました。仕事を始めた後もミスが続き、大変ご苦労されておりました。現在、仕事をされていますが、アシスタント的な業務がメインで、時間も短時間勤務です。

初診時と現在通院している病院が異なるため、初診病院にカルテの有無を確認したところ、保管されているとのことでした。そこで、すぐに受診状況等証明書の作成を依頼しましたが、数日後に“初診日が5年以上前のため作成できない”との連絡がきました。

受診状況等証明書は、当時の傷病名や、初診日、初診から終診までの治療内容を記載いただくものです。カルテが保管されている医療機関において、作成にご協力いただけないのは非常にまれなケースでした。

ただ、諦めてはいけません。障害年金は初診日の証明が最も重要です。

障害年金の請求は初診日の証明が必須で、証明が出来なければ請求そのものができないこと、また、カルテが保管されていない場合でも、救急車の搬入記録や入院・退院要約などの記録が残っており、それらをご提供いただくことで初診日の証明が出来たケースもあること、お忙しい中、病院外の保管庫まで探しにいってくださったケースもあることなどを初診病院にお話しし、医療機関の皆さまのご協力には心から感謝していることもお伝えしました。

また、初診病院で発達障害の疑いがあると診断されたことが、専門の医療機関を受診するきっかけとなり、ご本人様が非常に感謝しておりましたので、そのこともお伝えました。その結果、時間はかかりましたが初診日の証明を発行していただくことができました。

病歴・就労状況等申出書は改めてヒアリングし、日常生活や就業において具体的にどのような支障がでているのか、どのようなフォローを受けているのかを書かせていただきました。

請求の結果

障害基礎年金2級(5年のさかのぼり)で受給が決まりました。

この事例の特徴

発達障害の初診日は、自覚症状があって初めて医療機関を受診した日です。

しかし、病歴・就業状況等申告書の記載は、初診日からではなく出生日からとなります。幼少期から現在までの病歴状況を文章にするのは、ご苦労する方が多いです。また、過去の辛い出来事についても思い出すことになるため、辛い作業になるかもしれません。

今回は大人になってから発覚した「発達障害」になりますが、幼少期に受診している場合、ご本人が20歳になった時に、お母様が作成・請求を代行するケースもあると思います。

そのような時には、お母様が記録してきた成長メモや母子手帳、通知表、先生とのやりとりの手紙などがあると、作成の助けになります。先天性の障害をお持ちで、これから申請の予定がある方は、これらの書類を保管しておきましょう。

「(カルテがあるのに)初診日の証明を書いてもらえない・・・。」
本来あってはならないことですが、患者さまご本人が医療機関と交渉するのは難しいこともあるかもしれません。まずは専門家に相談することをおすすめします。